オリエンテーションプログラム Series 26
このプログラムは全8モジュールで構成されています。モジュールが表示されると進捗は自動で記録されます。テスト等はありません。
モジュール 01OP-2609/01
計算資源の支出に関する広く知られた発言と、その結果についての考察。
OpenAIがNavier-Stokesのミレニアム懸賞問題の解法を発表したとき、よく見かけた議論の多くは、100万ドルの賞金に対して約2200万ドル相当の計算リソースを費やしたことについてだった。まあ確かに、面白い対比ではある。ただ、個人的にはどうやってその成果を出したのかの方に興味があった。
報道によると、約1万個の協調型エージェントが証明とLeanによる形式化を作成したらしい。OpenAIは賞金の受け取りを辞退した。そのレベルで機械検証された証明は、たとえ実用的な用途がまだ見つかっていなくても、それだけで重大な研究成果と言える。
主張されている結果は有限時間特異点、つまり滑らかな解が破綻しうるというものだ。これでロケットを作る新しい方法や乱流をモデル化する手法が得られるわけではない。僕が理解したいのは、エージェントがどのように数学的処理を実行したのか、そしてそのプロセスのどれくらいが他の問題に応用できるのかという点だ。
モジュール 02OP-2609/02
汎用人工知能に関する2つの公式声明と、それぞれが依拠する定義の検証。
9月6日、Jensen HuangはAGIが到来したと宣言し、10万台以上のNvidia Grace Blackwell GPUでトレーニングされたGPT-6 Astraの功績を称えた。その2日後、証明が公開された。さかのぼって3月、彼はLex Fridmanとの対談で、AIが10億ドル規模の企業を立ち上げて運営できるかどうかを議論しながら「僕らはAGIを達成したと思う」と語っていた。8月の決算説明会では、その主張はより限定的になり、多くのタスクにおいてAGIを達成したと言える、というものになっていた。
Sam Altmanの発言も辻褄を合わせるのが難しい。現行システムはOpenAIの定義を満たしているとしつつも、個人的にAGIと呼べる内部システムが今年後半に登場することを今なお期待しているというのだ。
正直、こういうのにはうんざりする。誰かがそうした見出しを読んでアプリに仕事を任せてみたら、優秀な同僚ならこなせるようなタスクで失敗するのを目の当たりにするわけだ。インタビュー用に選ばれた定義なんて、そのシステムが実際に何ができるかを理解する役には立たない。
それにまあ、Huangが自社のGPU 10万台のおかげでAGIが実現したと言っているのは、なかなか笑える話だ。
モジュール 03OP-2609/03
この分野への関心の低下について述べ、継続的な露出が原因であると分析。
AIは製品発表、広告、LinkedInの投稿、ニュース番組、そしてもともと使っていていつの間にかキラキラアイコンが追加されたツールの中にまで入り込んでいる。どこにでも、クソみたいに溢れている。僕自身はまだそれについて読みたいと思っているけれど、テック業界の外にいる友人たちは、話が始まる前から終わらせたがることが多い。
これには対立陣営を作りたがる傾向と似た部分もある。すべてはバブルだ、すべては粗悪品(slop)だ、あるいは僕らは神を作り出そうとしている、といった具合に。でもビジネスを学んでいたり他の分野で働いている友人たちを見ていると、主に感じるのは疲弊だ。あまりにも多くの主張を聞かされすぎて、これ以上何かを評価したくないのだ。
これは僕の周囲の人たちを観察した結果だ。僕自身はその感覚をあまり共有していない。普段読むのをやめるのは、単に肉体的に疲れたからだ。だから、もっと注目しろと彼らに説教する筋合いはないと思っている。
モジュール 04OP-2609/04
新たな能力を生み出す組織と、それを再販する組織を区別。
Thielの「0 → 1」という枠組みが、僕の考え方に大体当てはまる。これまで不可能だったものを作る企業もあれば、すでに構築されたものへのアクセス権を売る企業もある。
便利なものを転売すること自体は構わない。腹が立つのは、プロンプトをサブスクで包んだだけのものが技術的ブレークスルーとして宣伝されていることだ。そんな発表ばかり見せられると、次の発表を真面目に受け止めるのが難しくなる。
僕がもっと懸念しているのは、機能としては優れているのに害を及ぼすプロダクトだ。例えば監視ツールや、パンフレットでは民間利用ばかりが強調される軍事アプリケーションなどだ。そこに対する僕の異議は、人々が何を作っているのか、そしてそれを誰が使えるのかという点にある。
モジュール 05OP-2609/05
Physical Intelligenceにおける最近の資金調達動向とこれまでの報道を要約。
ロボティクスは、もっと情報が入ってくればいいのにと思う分野の一つだ。
AMI LabsはYann LeCunを会長に迎え、JEPAアプローチを用いたワールドモデルに取り組むためにシードラウンドで10億3000万ドルを調達した。Generalist AIは6月に4億ドルを調達し、8月には評価額30億ドルの交渉を行っていたと報じられている。同社のGEN-1.5モデルは、勾配更新やファインチューニングなしで、たった1回の実演から物理的なタスクを学習する様子が公開されている。
これらの企業には明らかに潤沢な資金がある。それなのに、彼らの取り組みについては、次世代言語モデルのリリース情報に比べて耳に入ってくることがずっと少ない。それは僕が追っている情報の偏りもあるかもしれない。ロボティクスは僕にとって評価が難しく、この分野のほんの一部を追うだけでも時間がかかる。
もしロボットに教えることが遥かに簡単になったら、物理的な労働への変化にどう対処していくのかを知りたい。セラピー、医療、特定の職人技など、一部の仕事は人間に限定されたままであるべきなのだろうか? 僕自身、まだ答えは出ていない。この問いには、機械がそれを実行できるかどうかだけでなく、収入や責任、そして仕事をする人に対して人々が何を求めているのかも関わってくる。
モジュール 06OP-2609/06
自動化されたウェブトラフィックの現状数値と、会話テストにおける機械の性能を報告。
Impervaの2026年レポートによると、同社が測定したWebトラフィックのうち自動化されたトラフィックは53%を超え、悪質なBotが全体の40%を占め、AIを活用したBot攻撃は前年比12.5倍に増加しているという。これらはトラフィックの測定値だ。投稿や会話のどれくらいの割合が生成されたものなのかまでは教えてくれない。
生成された会話がいかに説得力を持ちうるかについては、別のエビデンスがある。JonesとBergenのチューリングテスト研究では、参加者が人間およびモデルと5分間会話し、どちらが人間かを判定した。人間らしいペルソナをプロンプトで与えられたGPT-4.5は、73%の確率で人間として選ばれた。LLaMA-3.1は56%に達し、ベースラインのELIZAとGPT-4oはそれぞれ23%と21%だった。
生成された文章を見分けられると思うこともあるけれど、その判断を過信したくはない。特に疲れているときや、自分の専門外の文章を読んでいるときはなおさらだ。
モジュール 07OP-2609/07
好奇心を保つための実践を提案し、不満を向けるべき適切な対象を特定。
成果につながるかどうかも分からずにあれこれ試してみるのは、今でも楽しい。大学の教授を困らせるようなくだらないソフトウェアを作ってみたり、バカげたアイデアをとことん突き詰めてどうなるか見てみたり。会社にする必要なんてない。
テック界隈の優秀な人たちが、事前に有益な成果が見込めないという理由で試作を避けているのをよく見かける。あらゆるテクノロジーに対して立場を表明しなければならないというプレッシャーが、そこに影響しているのだろうか。ショート動画などのメディアも一因かもしれないが、推測にすぎない。
技術そのものに興味を持ちつつ、その売られ方や使われ方に異を唱える余地は残しておきたい。監視プロダクトや、中身の何ひとつ伝わらないAGIの主張を嫌悪しながらも、新しいモデルや実験を理解したいと思うことは両立できるはずだ。
モジュール 08OP-2609/08
これまでの考察を再整理し、提案する1つのアクションで締めくくる。
研究自体には、読み続けるだけの十分な面白さがある。マーケティングのせいでそれが難しくなっているし、テック業界以外で働く友人たちには、そんなマーケティングに付き合う理由なんてほとんどない。
AIのすべてが善か悪かといった議論よりも、具体的に何かを試してみる話がもっと増えてほしい。ロボティクスは、そこに含まれてほしいテーマの一つだ。
~ A.